有頂天 / サンハウス

2019.12.26

ロックンロールの真最中.

目的なんかなかった。
「かまっちゃいられない 今ごきげんなんだ
ロックンロールやってるんだよロックンロールの真最中」

どういう訳か大学時代、僕はアレサフランクリンがみんな大好きなのさ!みたいな部活にパンクロックが好きだったにも関わらず、入部してしまった。
軽音部のくせにめちゃくちゃ体育会系で、指の先が裂けるまでチョーキングの訓練をし、アロンアルファで治療したり、骨折したドラマーは湿布をはって一日8バンド分のライブをこなしたりしていた。どれも治るわけがなかった。
また、恐ろしいほどの逆黒人差別があった。
特にホワイトブルースなど愚の骨頂である、という謎の観念があり、ヤードバーズなんて聴いたら非国民みたいなものであった。

一体なんのために、誰のために。
僕たちには目的なんかなかった。
ただ、各々が初めて音楽の話ができる同士ができたこと驚愕し、絶望していたはずの人生に共鳴し合い、毎日ひたすらスリーコードのセッションを繰り返した。

先輩に誘われてはじめて自分がやりたい曲をやれるバンドを組むことができた20歳の頃。
大好きだったサンハウスからロックンロールの真最中とレモンティーをチョイスした。
ホワイトブルース禁止令が出ていたので、レモンティーがめっちゃヤードバーズの「Train Kept a Rollin’」と一緒だということにも知らずにステージから睨みをきかし、ひたすらがなり声で歌った。

目的なんかなかった。
ただ、俺は今ロックンロールをやっている。そう思うと、なんだかごきげんになった。

Embroidery:今菜津美
text:こすげ

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